親族に薄毛の人が多く、自分も禿げるのでは無いかと不安を抱いて暮らしている方がいらっしゃいます。不安の中に20歳代を過ごしたものの、20歳代は薄毛になることは無く、このままうまく行けは、自分は禿げることが無いかもと、淡い期待を持ちます。しかし、期待は裏切られ30歳を過ぎてから薄毛が進行してきたというお話をよく聞きます。30歳を過ぎて進行する薄毛と、20歳代から進行する薄毛はどこが違うのでしょうか。どのように対応すればいいのでしょうか。本ページでは30歳から進行する薄げに対し解説したいと思います。
薄毛に遺伝子の関与があることは、広く知られています。一つの遺伝子だけが薄毛に関与しているわけではなく、複数の遺伝子が薄毛の発症に関係していることが最近の研究で明らかになっています。複数の遺伝子を同時に持つ場合は、薄毛が強力に促進され、単一の遺伝子のみを持つ場合は、軽度に薄毛が促進されると考えられています。20歳代に発症し、急速に進行する場合は、複数の薄毛遺伝子を持ち、30歳過ぎから発症し緩やかに薄毛が進行する場合は、単一遺伝子を持つ可能性が高いと思われます。
30歳代に発症する薄毛は、20歳代に発症する場合と比較すると、進行が緩序であることが知られています。ゆっくり進行するために、放置されるケースも多く、その結果、薄毛が進行し、重症化して初めて御来院いただくこともあります。進行がゆっくりな場合でも、何もせず放置した場合、進行が止まるわけではなく、最終的には、前頭部と頭頂部に髪の毛がなくなる状態まで、薄毛が進行することをご理解ください。薄毛の状態を受け入れられないと言うことであれば、抜け毛が目立つようになった時点で薄毛治療を行うことが重要になります。
38歳、男性。30歳過ぎに発症した薄毛
症例経過:母方に薄毛の人が多く、自分も将来は薄毛になってしまうと覚悟していた症例です。20歳代は、薄げになることも無く、順調に乗り切ったため、このまま自分は薄毛にならないのではないかと期待したようです。しかし30歳を過ぎてから、抜け毛が進行して、薄毛領域が拡大してきたので、薄毛治療を希望され仙台中央クリニックを受診していただきました。診察したところ、前頭部のM字は深く切れ込んでおり、頭頂部にも薄毛が広がっていました。薄毛領域では、地肌が露出し、硬くなっていました。毛髪は全体的に細くなっていて、つやがありませんでした。30歳代以後に発症する男性型薄毛症と考えて、ハーグ治療を行いました。治療回数を重ねるごとに自己毛髪が増加し、薄毛領域が縮小しました。
症例解説:30歳代より進行する薄毛は、ゆっくり進行するため、発症後しばらく放置されることが多く、頭部の大半に薄毛領域が拡大して初めて、御相談いただくことも稀ではありません。地肌は硬くなり、髪の毛は細く元気長い状態になっています。早い段階で御相談いただくと、治療回数を減らすことが出来ますが、重症化している場合、治療に反応が悪く、通常より回数を要すこともあります。出来るだけ早めに御来院いただくのが、効果を上げる上で重要になります。