病気で入院した際に薄毛が進行することがあります。入院や手術には大きなストレスが伴い、このストレスが薄毛を進行させます。また身体が危機に陥った時、生命の維持をしようと、体内のエネルギーが重要臓器に振り分るため、生命維持に関与が少ない毛髪はエネルギーの分配が少なく、毛髪細胞の成長は止まり薄毛が進行します。病気で薄毛が進行した場合でも、病状が回復すると、薄毛も改善することが多いのですが、病状が回復したにもかかわらず、薄毛が改善しない場合には薄毛の治療が必要になります。
貧血が進行すると、頭皮の血流も不足してしまいます。倦怠感、息切れ、立ちくらみ、めまい、冷え症、集中力の欠如、肌荒れなどの症状のほかに、薄毛や抜け毛を認めることがあります。まず貧血の原因を調べ、貧血の治療を行うことが重要です。貧血が改善されても薄毛が改善されない場合には、早めに薄毛治療を行う必要があります。
甲状腺ホルモンは毛の発育にとっては欠かせないホルモンです。甲状腺ホルモンに異常値を示す甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症では、薄毛が進行することがあります。ホルモン異常の原因を精査し、甲状腺ホルモンの値を正常化させることが必要です。甲状腺ホルモンの値が正常化した場合でも薄毛が続く場合には、薄毛治療が必要になります。
副腎は左右の腎臓の上にある器官です。副腎皮質から分泌される副腎皮質ホルモンは、抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫抑制作用などを発揮することが知られ、薬剤として広く使用されています。しかし長期にわたって副腎皮質ホルモンを使用すると多くの副作用が生じます。その副作用の1つとして、男性型薄毛症をきたすことがあります。
膠原病とは、免疫機能に異常が起こり、免疫細胞が自分自身の細胞を攻撃することにより起こる疾患です。原因不明の発熱や湿疹、関節痛、口内炎、脱毛などが特徴的です。薄毛が進行するのは、免疫細胞が毛根を攻撃し発毛を阻害するからです。突然薄毛が進行することもあります。
脂漏性皮膚炎とは、皮脂を餌にして真菌が増加し、炎症を引き起こされる疾患です。頭皮にフケやかゆみを伴い、湿疹が認められます。カビの1種であるマラセチア真菌が原因菌です。真菌の増加に伴い、頭皮環境が悪化するため、薄毛が進行することがあります。
頭部の火傷や外傷、X線治療により、薄毛が起こることがあります。頭皮が瘢痕化してしまったら、髪の毛が自然に生えてくることはありません。そのため、薄毛治療においては、瘢痕が広がることを防ぎ、残存した毛母細胞を活性化させることにより発毛を促します。
扁平苔癬は皮膚や粘膜をリンパ球が攻撃することによって引き起こされる疾患です。再発性に赤や紫の小さな発疹を生じ、痒みを伴います。発疹が頭皮にできた場合、薄毛症状が現れます。
病気に伴い薄毛が進行した場合には、その病気を治療することが最も重要です。病状の回復と伴に薄毛も改善していきますが、薄毛が改善されない場合には、薄毛治療を併用することが必要になります。ハーグ療法は、近年開発された薄毛治療ですが、細胞レベルで毛髪を再生させ、発毛や育毛を促進させる治療で、病気により進行した薄毛の治療に効果があることが知られています。 頭皮に直接、薬液を注射するために、薬剤の効果が直接毛母細胞に伝わり、発毛を促します。
47歳、男性。病気で進行した薄毛、ハーグ療法
症例経過:腹部疾患により入院し、薄毛が進行してしまった症例です。約2ヶ月間の入院と自宅療養を経て社会復帰できましたが、病気により進行した薄毛は改善しませんでした。抜け毛が続くため心配になり、薄毛治療を決意して御相談いただきました。診察したところ前頭から頭頂にかけて薄毛領域が認められました。ハーグ療法が有効と考えられ、治療を開始することにしました。治療と伴に、薄毛が改善し、発毛が認められました。
症例解説:手術や入院は、痛みや出血、身体のストレスを伴います。また生命維持のために重要臓器に優先的にエネルギー分配がなされます。これらの理由から薄毛が進行することがあります。病気に関連した薄毛の場合、もとになっている病気の治療をしないと薄毛症状は改善しません。病気からの回復を第一目標にしていただくことになります。病状が改善すると、自然に薄毛が改善されることが多いのですが、回復から数か月を経ても薄毛状態が続く場合には、薄毛治療を行う必要があります。ハーグ療法は近年開発された、薄毛治療法ですが、病気による薄毛に対して改善効果があり、発毛を促します。髪の毛が生えることで元気で若々しい容貌になりますので喜ばれています。薄毛は広がりの程度や、毛髪の状態によって治療効果が異なりますので的確な診断のもと治療を開始することが重要です。ハーグ療法は、注射する際に痛みを伴うデメリットやリスクを認めることがあります。効果には個人差があり、効果を保証するものではありません。術前に十分説明を受けてください。